ここ数年人気のSUVですが、購入し、所有するとなると気になるのが駐車環境だと思います。マンション住まいの方の多くは機械式駐車場をお使いになると思いますが、その規格によって購入できる車種に制限ができてしまいますよね。一般的なものだと、こんな感じでしょうか。
| タイプ | 全長 | 全幅 | 全高 | 重量 |
|---|---|---|---|---|
| 普通車用 | 5,000mm | 1,850mm | 1,550mm | 2,000kg |
大型も対応するパレットを選べばいいのでしょうが、それには値段が上がったり、そもそも数が少なくて空いてなかったり。では、上記サイズで車を選ぶとすると、どのような候補があるでしょうか。今回は、「車好きが納得できる、機械式立体駐車場に入るSUV」を選んでみました。
車好きも納得できる、を実現するために”300馬力以上”としてみました。様々な尺度がある中で、SUVで300馬力というのは、少なくとも車にこだわりがないと選ばないスペックかと思います。
早速検索してみると、やはりSUVで1,550mm以下というところに矛盾が生じ、なかなか該当車種が見つかりません。ようやく3台見つけましたが、面白いことに「ドイツ御三家」から1台ずつ該当してきました。
1.メルセデスAMG GLA45(X156、2015~20年)
2015~2020年頃に販売された初代GLAのAMGモデルです。実際にはSUVというより、「A45 AMGを少しリフトアップした4WDホットハッチ」という表現が近いかも知れません。オーナーから「SUVというよりGolf GTIやWRXハッチバックに近い」という声が多いようです。
ボディサイズ
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 全長 | 4,455mm |
| 全幅 | 1,804mm |
| 全高 | 1,479mm |
機械式駐車場の・全長5,000mm以下・全幅1,850mm以下・全高1,550mm以下をゆとりを持ってクリアしていますね。
エンジン・性能
- 2.0L直4ターボ(M133)
- 381ps
- 475Nm
- 7速DCT
- 4MATIC
驚くことに、2リッターエンジンながら381ps/475Nmを発生。その強靭な力をロスのないDCTと4輪駆動で路面に伝えます。結果、0-100km/hは4.4秒とスポーツカーの中でも上位に入るほど速い性能を持っています。
長所
① とにかく速い
先述のように馬力、トルク共に申し分ありません。381psで1510kg、パワーウェイトレシオは約4kg/psです。 まず381psという時点でテンション上がりますね。2リッターターボとしては最速なのではないでしょうか。メルセデスのボディ合成であればこの馬力をしっかりと受け止め大きなブレーキシステムで制動も安定感あるかと思います。個人的にはこのパワーの解放は高速の合流、追い越しなど直線での加速に限るかな、と思います。
② 雪道や雨に強い
4MATICのおかげで、雪道や雨天の高速走行などでも安心感があります。 トルクが太すぎる分、FFではスリップのしがちになりそうですが、4輪駆動によりそのリスクを軽減しています。
③ 荷物が意外と積める
421Lの荷室があり、後席を倒すと長尺物も積めます。旅行はもちろん、ゴルフにも安心して使えます。後席6:4で分割できるシートの片側を倒せば、「3名乗車+キャディバック3つ」もかなりの確率で可能です。
短所
① 乗り心地は硬い
車高からもSUVと言っていいのか疑問は残りますが、扁平タイヤと硬いセッティングの足回りの影響で長距離・長時間は疲れやすいという声も多いです。特に後席はシート自体の厚みも前席に比べると薄く、あまり快適とは言えないでしょう。
② 後席は広くない
外寸の割には後席スペースもありますが、それでもやはり大人が乗るにはややキツめです。実際のオーナーの声も、大人4人旅行は可能だが、後席快適性重視なら厳しそう、というものが多いです。小柄な方であればそこまで不満のある狭さではなさそうですが、先述の通り快適かと聞かれると、そうでないかも知れません。
③ 内装はAMGとしては安っぽい
ここも注意です。メルセデスAMGブランドとして、新車時価格は700万円を超える高価な車ですが、車格はAクラス系の内装なので、Cクラス以上のような高級感はありません。「走りは最高だが内装品質は普通」という評価が多いです。
④ DCT特有のクセ
低速では少しギクシャクして、渋滞で気を使うレベル。DCTの完成度としてはまだ改善の余地がありそうです。ただし、それを運転の要素として楽しめる方や、DCTならではのダイレクト感など、メリットも多くあります。
④ 静粛性
足回りの硬さも影響して、ロードノイズはあまり抑えられていない印象です。また、M133エンジンはAMGらしく演出されていて、むしろ音を聞かせる作りになっています。
故障・注意点
比較的安心な部分
M133エンジンはAMGの傑作エンジンとして有名で、多走行車オーナーからもなんと、「42万km超でも大きな故障なし」という報告があります。排気量と馬力・トルクのバランスから推測すると、タービンへの負担は大きいものと想像しますが、これは嬉しい誤算です。
注意点
- ターボのウェイストゲート摩耗(多走行車、サーキット走行歴があるものなど)
- DCT関連
- AMGブレーキの高額交換
は要注意です。エンジンが丈夫な分、ブレーキなどの消耗品の価格がインパクト強めかも知れません。
2.初代 BMW X2 M35i(F39・2019〜2023年)
X2 M35iは、BMWのSUVというより「車高を少し上げた高性能ハッチバック」として理解すると性格が分かりやすいです。BMW X1ベースで開発しており、一般的なSUVに期待する悪路性能や大空間よりも、
- 走り
- スタイル
- 日常の使いやすさ
を重視したモデルと言えます。
ボディサイズ
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 全長 | 4,375mm |
| 全幅 | 1,825mm |
| 全高 | 1,535mm前後 |
実際は「SUV」というより、少し背の高いBMW 1シリーズやハッチバックに近い感覚です。
- 機械式駐車場対応しやすい
- 狭い道でも扱いやすい
- 見切りが良い
- 着座位置はやや高め
という特徴があります。
長所
① B48エンジンが非常に優秀
BMWの現代エンジンの中でも評価が高いユニットです。
- 306ps
- 450Nm
とハイスペックです。加えて、最大トルク450Nmが1750rpmから出るために高回転まで回す必要がなく、とても扱いやすいエンジンです。主な特徴は、
- 低回転から力がある
- 街乗りが楽
- 高速合流の加速は強烈
- 燃費も比較的良好
300馬力級としてはかなり完成度が高いです。
② 乗り心地が良い
Mモデルですが、フルAMGのような過激さはありません。
特に高速道路では
- フラット感が高い
- 長距離で疲れにくい
- 段差の処理が上手
という特徴があります。
③ 静粛性が高い
X2 M35iの隠れた長所です。この馬力の割に、
- エンジン音がうるさくない
- 巡航時が静か
- オーディオが聞きやすい
普段使いでは大きなメリットです。
④ 実用性が高い
荷室容量は約470L。後席も意外と広く、見た目以上に使えます。
- スーツケース
- ゴルフバッグ
- キャンプ用品
なども積みやすいです。
⑤ 雪道や雨の日に強い
xDriveの完成度は高く、悪天候でも安心感があります。
短所
① BMWらしいFR感は薄い
ここは好き嫌いが分かれます。X2はFFベースので、
- 3シリーズ
- 4シリーズ
のような後輪駆動らしい動きはありません。
② エンジンフィール、サウンド
306psありますが、音の演出は控えめです。また4気筒ですのでこちらも3シリーズ以上の直6エンジンとはフィーリングが異なります。小気味良い感じが好きであれば、一概に短所とも言えません。
好きな人
- 静かな車が好き
不満な人
- スポーツカー的な高揚感が欲しい
③ 後席の頭上空間
クーペ風デザインの影響で、車高、デザインを考えると上出来ですが、大柄な人が座ると少し窮屈です。
④ タイヤ代は安くない
純正19インチ・20インチ装着車が多く、交換時はそれなりに費用が掛かります。
中古車購入時の注意点
① タイヤ銘柄
非常に重要です。安価なアジアンタイヤに交換されている個体が意外と多く、本来の乗り味がかなり変わります。3シリーズ以上の車両だと、タイヤの性能に関わらず、車両自体の合成や防音性能が高いためにある程度の静粛性や乗り心地は維持されます(走行性能は別として)が、X2はそこまでの車格ではないため、タイヤの性能で乗り心地にも影響が出ます。扁平タイヤとなりますので先述の通り費用はかかりますが、ある程度のプレミアムタイヤをおすすめします。私の場合、2〜3年落ちの中古でもいいのでミシュランのパイロットスポーツシリーズを選んだりします。
② ブレーキローター
M35iはブレーキが大きく、交換費用も高めです。プレー機パッドだけでなく、ローターも含めて購入前に確認したいポイントです。
③ サンルーフ
装着車は人気です。特に後席の圧迫感を軽減し、外出の気分を上げてくれるオプションとなります。一方で経年劣化による異音や排水詰まりのリスクがあります。必ず動作確認をしましょう。
オーナー視点での評価
実際のオーナー評価を要約すると、
満足点
- 想像以上に速い
- サイズがちょうど良い
- 長距離が楽
- 実用性が高い
不満点
- 音が物足りない
- Mモデルとしては大人しい
- 後席は期待ほど広くない
という声が多いです。
一言で表すと
BMW X2 M35iは、「速い・快適・実用的」を高いレベルで両立したスポーツクロスオーバーです。
刺激や演出よりも、「毎日気持ちよく乗れる300馬力級BMW」というのが、この車の本当の魅力だと思います。
3.Audi SQ2
ボディサイズ
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 全長 | 4,220mm |
| 全幅 | 1,800mm |
| 全高 | 1,520mm |
このサイズ感はSQ2最大の魅力の一つです。
- 全長4.2m級
- 全幅1.8m
- 全高1.52m
なので、日本では非常に扱いやすいサイズ。機械式駐車場も比較的入りやすく、狭い道や立体駐車場でも気を遣いにくいです。実際の感覚は、「少し車高を上げたスポーツハッチバック」に近いです。
長所
① EA888エンジンが非常に完成度が高い
SQ2に搭載されているEA888エンジンですが、
- 2.0L直4ターボ
- 300ps
- 400Nm
- 7速Sトロニック(DCT)
- quattro
という構成です。小柄なボディに対して分厚いトルクとハイパワー。この動力をDCTで伝えるため、エンジン性能を直に感じることができます。
特徴
- 低回転から力強い(最大トルク400Nmを 2,000〜5,200rpm で発生)
- 高速巡航が得意
- 耐久性も比較的良好
普段使いでは十分以上のパワーがあります。特に低回転から分厚いトルクを発生させるため、乗り味はまるで大排気量エンジンの様な感覚を抱かせます。
② DCTの変速が気持ちいい
7速Sトロニックは非常に優秀で、乗ってすぐに以下4点を感じることができます。
- 変速が速い
- ダイレクト感が強い
- パドル操作が楽しい
- 低速ギクシャク感も少ない
③ quattroの安心感
SQ2は雨の日や高速道路で特に安心感があります。
- 発進が安定
- ワインディングが得意
- 悪天候でも不安が少ない
Audiらしい長所です。
④ コンパクトなのに速い
0-100km/hは約4.8秒と、数字を見るだけでもかなり速いです。しかもサイズが小さいため、実際の体感速度は更に高めです。
⑤ 静粛性が高い
スポーツモデルですが、普段は非常に穏やかです。
- 高速巡航が静か
- エンジン音が耳障りでない
- 長距離が楽
⑥洗練されたデザイン
アウディ全般に言えることですが、デザインが洗練されていてオシャレな雰囲気を持っています。コンパクトな車体に少し高めの車高と、愛らしいデザイン、豊富なカラーバリエーションなどから、所有して愛着が湧く仕様となっています。
短所
① 後席は広くない
後席は使えますが、大人4人で長距離移動する車ではありません。
- 膝前空間は普通
- 頭上空間は十分
- 横幅は狭め
- 背もたれは立ち気味
という印象です。
荷室も同様で、容量は約355Lです。後席背もたれを倒せば広いラゲッジスペースとなりますが、、SUVとして期待すると少し小さく感じます。
② quattroらしいアンダーステア傾向
限界付近では、「曲がる」より「安定思考」です。鋭いコーナーリングというよりは、ロールせず4輪がしっかりとグリップした走りが特徴です。運転して気づくのは、実に意図通りの角度で曲がる、ということです。ハンドルを抉ったり、修正舵を入れる事なく曲がれるため、結果搭乗者に快適性を与えることになります。quattroならではの性能ですね。いいことではありますが、見方を変えると、運転が苦手な人には安心ですが、スポーツカー的な回頭性を期待すると違います。
中古車購入時の注意点
① タイヤ状態
これは先述のBMW X2と同様ですが、むしろSQ2の方がタイヤで性格が大きく変わります。全体的に、同等の車格で比べるとBMWよりAudiの方がタイヤの影響が強いと感じます。こちらも扁平タイヤとなることや、車格がエントリーモデルであるA1を元としているため、ロードノイズはそこそこ拾います。このことを踏まえると、タイヤ自体に静粛性を求めたいところです。タイヤ選びのおすすめについても先ほどと同様で、大手メーカーのプレミアムタイヤやミシュランPS4、5あたりを狙いたいです。
また、ブレーキもSシリーズならではの大径ローターとそれに合わせたパッドを搭載しています。性能はピカイチですが、交換費用もそれなりにしますので、タイヤと合わせて残量の確認をしましょう。純正で交換すると、パッドとローター前後フル交換で30万円くらいします。OEMなどでもっと安くできますが、それなりの費用になります。ブレーキ関係は走行環境や運転の特性で大きく寿命が変わりますので、走行距離だけで判断せず、現物の目視確認をお勧めします。
② DCTのフィーリング
AudiのStoronicやフォルクスワーゲンのDSGに乗った経験がない方は試乗をおすすめします。ダイレクト感の強いDCTで加速時の爽快感が良く、ターボ車にもとても相性の良いミッションですが、低速走行時にギクシャク感が出ます。それが不快に感じる方もいるかも知れませんし、そこで求められるアクセルワークが楽しいと感じる方もいると思います。これは好みの問題ですので、ぜひ一度は試乗してみてください。
③ オプション
中古車によくある話ですが、新車購入時では高価なオプションも、中古車になるとその金額の反映は薄まります。SQ2には魅力的なオプションがいくつかありますので、中古車検討の際はぜひ注目してみてください。ただしあくまでオプションですので、無いと不便、というものではありません。「あったらラッキー」くらいの気持ちが良いでしょう。
インテリアデザインパッケージ
- ファインナッパレザーシート(マグマレッド/ブラック)
- レッドアクセントリング付きエアコン吹き出し口
- マルチカラーアンビエントライティング
- レッドステッチ
- 専用フロアマット
- Audi ringsドアエントリーライト
- ライトグラフィック加飾パネル(年式・仕様により組み合わせあり)
シートや内装の質感が格段に向上します。
オーナー視点での評価
満足点
- サイズが絶妙で扱いやすい
- 速い
- quattroシステムで雨の日でも安心
- 街乗りも長距離も楽
- デザインが洗練されている
不満点
- 後席が狭い
- 荷室が小さい
- ロードノイズを拾う
一言で表すと
SQ2は「300馬力の高性能コンパクトカーをSUV風に仕立てたクルマ」です。
SQ2の強みは「サイズの小ささ」と「扱いやすさ」にあります。逆に、荷室や後席については購入前に現車確認しておいた方がよいポイントです。
まとめ
1.メルセデスAMG GLA45(X156、2015~20年)
2.初代 BMW X2 M35i(F39・2019〜2023年)
3.Audi SQ2
の3台を紹介させていただきました。
刺激のGLA45、総合力のX2 M35i、キビキビした愛らしいデザインのSQ2、同じドイツメーカーのコンパクトSUVですがそれぞれの特徴ははっきりしています。
ご自身の好みに加えて、後部座席や荷室を、実際に一緒に乗るであろうご家族とご確認の上、選ばれることを強くお勧めします。
搭乗者も笑顔にさせてくれるコンパクトSUV、お好みの一台を見つけて有意義なカーライフをお過ごしください。






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