BMWの「シルキーシックス」、お聞きになったことはありますか?少々現代風に丸めた解釈でお伝えすると、「BMWの直列6気筒エンジン搭載車」となります。正しくは、特定の年代の6シリーズSOHCエンジン搭載車を指すようですが。
そもそも、エンジン振動については、6つのシリンダーを直列に並べることにより、そのピストンタイミングによって、全体での振動を極めて「無」に近くすることができる、とされています。更に、エンジンに最も強いこだわりを持つBMWが制作する直列6気筒エンジン(以降「直6」)は、その振動の少なさと、回転数を上げた時のフィーリングが秀逸、と言われています。
過去にはトヨタでも、日産でも、直6を作っていましたが、直6はどうしてもエンジンが長くなってしまい、それに伴ってボンネットが長く、全長を意識すると室内空間を狭くせざるを得ないことから、現在ではエンジンの長さを約半分にできるV6エンジンへと6気筒エンジンの主流は移り変わっております。
そんな中、実はBMW、エンジンへのこだわりが強いためか、今でも6気筒エンジンは「直6」しか作っていません。エンジンの長さに対するデメリットは、エンジンをボンネット最後部へ配置し、エンジンの半分近くがフロントガラスの真下となるような設計を施し、ボンネット長さの短縮と室内空間維持に加えて「前後車重50:50」もキープさせています。これを聞くだけでも、「一度はBMWを存分に運転してみたい」と思う方も多いのではないでしょうか。
となると、いつものお得な中古車情報です。BMWの直6をお安く乗るには、、、
ダントツでこれ、”E90型 3シリーズ 325i”です。これは2005年から販売されているBMWの超人気モデルのうち、直6を搭載した中で一番お値打ちなモデル、となります。とは言え、同時期に販売されていた4気筒モデルよりも新車時価格で約100万円も高く、6気筒エンジンによるその部品点数の多さなどのコストを厭わない、エンジンへの強いこだわりを感じさせられます。
中古車市場の特徴として、その車両の原価でなはく需要により価格が設定されてくるため、排気量や燃費から考えられる維持費などを考慮し、今中古車で買おうとするとほとんど購入価格に差がついていないのが現状です。年式が古くなるため、購入には慎重さも必要になりますが、走行7万キロ以下の車両が乗り出し50万円前後で手に入るため、一度経験のために所有してみる、といった判断もアリではないでしょうか。
ちなみに、このE90 325iについては、2010年5月のマイナーチェンジに伴い、それまで2500ccであった排気量が3000ccに拡大されています。乗り味はどちらにもそれぞれの良さがありますが、「高回転でのフィーリング」を重視するのであればマイナーチェンジ前、「街乗りのトルクも大事」というのであればマイナーチェンジ後のモデルをお勧めします。
ステーションワゴンの325iツーリング(型式はE91となります)も同様の設定となり、こちらもセダンに負けず劣らずの乗り味を提供してくれます。
FRならではのハンドリング、50:50を感じさせるコーナーでの安定性、いつまでも古く見えないデザイン、日本の道路事情にマッチしたボディサイズなど、エンジン以外にも魅力の多いE90(E91)、程度の良さそうな車両を見つけたら、是非乗ってみてはいかがでしょうか。
メーカーの伝統を守る一台、いいですよね。深い味わいを感じながら、有意義なカーライフをお過ごし下さい。
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