4人乗りのオープンカーの紹介はこれまでに何回か行いましたが、その中でもラグジュアリー感があるのがメルセデスのオープンカーです。スポーティーなものから維持しやすいもの、乗り心地の良いものなど、オープンカーの中でも色合いが様々です。
私自身、「購入するならどれが良いか」という観点で真剣に考えてみたことがあるので、その情報を備忘録的に記したいと思います。



① C180 カブリオレスポーツ (2016年式)
最も市場に出回っており、故障も少ないと考えられる1台。デザイン性は全く問題なく。洗練されたフォルムにソフトトップのカラーバリエーションもあるためオシャレな感じを演出しやすく、所有感も味わえます。W205型のCクラスがベースとなりますので、共通部品も多く、メンテナンスも同メーカーの中では安心感があります。
ダウンサイジングターボのコンセプトから、燃費も良く(JC08:14.3km/L)、最大トルクを1200回転から発生させることによりエンジンの美味しいところをふんだんに使い、日常使いでは力不足を感じさせない設定になっています。
一方で、1600ccという小排気量エンジンの弱点は消しきれず、高速走行からのさらなる加速などは期待に応えきれない印象です。
中古車での購入はお買い得感がありますが、今回紹介する他の車種に比べると下落率は低いです。燃費を含めた維持費に優位性があり、リセールも期待しやすい車両と考えられます。
② C300カブリオレスポーツ(2016年)
①の弱点であるエンジン性能を引き上げたモデル。世代のメルセデスが多用していた直列4気筒エンジンですが、①では排気量を1,600ccに抑えていたところを2,000ccに引き上げています。
ここで興味深いのは、排気量の引き上げ(どちらかというとこちらが主流で、①はこれをダウンサイジングした)ただけでなく、出力、トルク共にEクラスに搭載している同種のエンジンを上回っているというところです。245馬力・37.7kg•mというのは、この車両にとっては十分とも言えるスペックで、こんなに都合のいいクルマはない、と思えるほどです。
ところが、中古車市場で探してみると、2026年2月の検索では、中古車検索サイトに1台も掲載がなく、非常に残念なところです。以前見かけた時は、乗り出し価格300万円台前半でしたから、①と比べると新車時100万円近くも高いにも関わらず、中古車では同等額になっているというお買い得感もあったために残念です。
特に何か状況が変わるわけでもないのですが、この車種の在庫が圧倒的に少ない理由を考えてみます。
◯新車時価格が高かった・・・①に比べると100万円近く高かったため。また、同年代のEクラスカブリオレと同等もしくはこちらの方が高かったりします。EクラスはW212がベースとなっておりますので、W205をベースとするこちらよりも一世代古くはありますが。
◯エンジン性能を求めるユーザーが少なかった・・・オープンカーですので、セカンドカーとしての取り扱いが多かったと想定されます。そうなると、ファーストカーとして高性能エンジン車、セカンドカーとしてオープンを楽しめるモデル、という立ち位置が多かったのでしょう。特にメルセデスのユーザーを想像すると、所有するクルマは1台ではなさそうですね。
◯エンジン性能を求めるユーザーは、C43を選択した・・・メルセデスの顧客ですから、エンジン性能にお金をかける場合は④で紹介するC43(新車時価格約1000万円)までかけられるのでしょう。一つ目の理由と矛盾するようにも感じますが、エンジン性能を求めるか、求めないかで両極端であったことも想像できます。要は「中途半端」だったのかも知れません。
「中途半端」と「バランスがいい」は、ひょっとしたら共存しているのかも知れませんね。私は維持費を考慮しても、この車種はとても魅力的だと思っています。
③ C43 4マチックカブリオレ
日本の道路事情や駐車場にマッチした4人乗りオープンカーで、加速力も最速クラス。6気筒エンジンの質感とメルセデスAMGブランド、全て満たす車が500万円以下で入手できます。馬力、トルク共に超ハイスペックです(367ps(270kW)/5500~6000rpm・53.0kg・m(520N・m)/2000~4200rpm)。エンジン音がやや主張されますので、閑静な住宅街では少し気を使うかも知れませんが、質感の良いV6サウンドですのでオーナーさんの所有感を満たしてくれるでしょう。
足回りはやや硬いイメージですが、車の特性を考えると乗り心地も維持してくれているし、多くの人に受け入れられるものと思います。「実用性があって、加速のいいオープンカー」というベクトルで車を見た時には、もう欠点なんてない、と言っても過言ではなさそうです。
強いて言えば、車両価格はその性能と質感からすると格安ですが、故障が出た際の修理費は専用パーツも多いことから高額になることが想定されます。ゆとりを持った購入と、信頼できる整備工場のリレーションは必須ですね。
④ E250カブリオレ(A207)
Eクラスのカブリオレです。W212の外観にクーペスタイルからのカブリオレ、という感じでしょうか。Eクラスとしての作り込み、高級感がありながら、実はW204Cクラスのプラットフォームというコンパクトな設計で非常に使いやすい車です。エンジンは①、②と同系統の274型で2,000ccターボとなり、低回転トルクが充実しており(35.7kg・m(350N・m)/1200~4000rpm)、カブリオレのため合成補強で100Kg以上のビルトアップされたボディ(クーペ比)ですが、全く重さは感じさせず、むしろ軽快な動きを感じさせてくれます。ボディサイズとカブリオレという強烈な加速というよりは快適に流す感じを求めるスタイルにはちょうどいいスペックです。ボディサイズやホイールベースから日本の道路事情にもフィットしており、カブリオレという尖ったカテゴリーの中では「優等生」といったイメージです。
中古車価格も100万円台前半から低走行車が選べ、ちょうど今が底値と感じます。これ以上待っても程度の良い個体は減る一方で、価格も落ちないのではないでしょうか。
⑤ E400カブリオレ(A207)
上記④の優等生カブリオレで、唯一わがままを言うならば、エンジンフィーリングかと思います。4気筒エンジンの小気味良い動きがお好きであれば問題ありませんが、滑らかな吹け上がりや強烈な加速も欲しい、といった場合にはもう一回り大きいエンジンを搭載してもいいかも、、、そんな贅沢に答えてくれるモデルがこちらです。3,500ccにツインターボ。馬力もトルクも超強烈です。ボディサイズも抑えられているため、贅沢というか、オーバースペックというか、もう文句なしでしょう。
新車時価格は1000万円級ですが、中古車では2〜300万円前後で入手できてしまいます、と言いたいところですが、タマ数が圧倒的に少なく、2026年2月の調べでは大手サイトでの掲載は0。もし売り出されることがあれば、急いでチェックしたいですね。
こちらの車両はもう一つ注意があります。全車両左ハンドルです。こちらも好き嫌いもあるでしょうし、搭乗者の理解も必要ですね。
⑥ E200カブリオレスポーツ(C238後期 2019.10)
④⑤を新しくしたモデルがこちら。ダウンサイジングエンジンの波はここまで来ました。Eクラスながら排気量は1,500cc。一昔前で言えばコンパクトカーの排気量ですね。これでEクラスの車格の心臓部となるわけですから、驚きです。仕掛けとしては、ターボに加えてモーターのアシストがあり、立ち上がりの加速や、シフトアップの支えとなり、動力性能の確保と燃費の向上に貢献します。高回転時の加速、巡航からの追い越しなどで力不足を感じることがあるかも知れませんが、一般的に運転している時間の9割以上の時間帯で力不足を感じることはないでしょう。また、ホイールベースも伸び(2875mm)、居住性も向上。まさにワンランク上のオープンカーですね。価格も400万円を切っているものもあり、新車時から比べると半額以下です。
⑦ E300カブリオレスポーツ(C238後期 2019.10)
⑥のエンジン出力をカバーしたグレードがこちら。2,000ccターボで出力、トルク共に十分な数値を出しています(258ps、37.7kg・m)。また、ロングストロークエンジンならではのトルクの厚みから、軽快というよりも重厚感を感じさせるフィーリングを持ちます。
ただし、ほとんどタマ数がなく、あったとしてもまだ値下がりは期待できそうにありません。
まとめ
いかがでしょうか。メルセデスだけでも4人乗りオープンカーはこれだけあります。それぞれに特徴があり、魅力もあるのではないでしょうか。強力な動力性能を求めるか、快適性を求めるか、購入価格を重視するか、リセールを期待するか、、、さまざまな観点で車選びを検討すると思いますが、せっかくこれだけ多くの種類があるのですから、もし購入するのであれば、ぜひご自身が納得する一台を選ばれると良いと思います。そもそも、ただでさえ「オープンカー」という尖ったカテゴリーなのですから。
最後に、主要るペックを一覧にしてみました。「カタログ値よりも実際のフィーリング」が大切と思いますので、ご参考程度に。

オープンカーは特にフィーリングが大事になると思います。自分好みの選択をして、後悔のない有意義なカーライフをお過ごしください。


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