最近はオープンカーについて調べることが多く、つい先ごろも”BMW 4シリーズ カブリオレ(F33型)”についてお話しさせていただいたり、もう少し前にも、4人乗れるオープンカー E93 BMWカブリオレ、4人乗りのオープンカー!その②”メルセデス・ベンツ Eクラス E250 カブリオレ(A207型)”このような投稿をさせていただいておりました。
そもそも、オープンカーにすると屋根を収納するスペースを確保するため、通常よりもキャビンが狭くなる、という短所があります。それを車体サイズを肥大化させずにリカバリーしようとすると、まず第一に、駆動方式をFFにすることによりエンジンを横置きにでき、シャフト類の張り出しを抑えることが考えられます。
それは最も合理的でコストも抑えられそうですが、そもそもオープンカーのビジュアルにはスポーツカー的な要素が含まれていることが多く、そうするとハンドリングも妥協できない、という願望も生まれてしまいます。そうするとFRの操作性を求めてしまい、キャビンが狭くなります。マツダロードスターなど、広さは完全に割り切って2シーターとすればFRオープンで、かつ軽快な走行を楽しめる車もありますが、2シーターともなると、セカンドカーとして所有するか、共有する家族の理解が必要になります。大きな荷物を置くことや、いざという時に4人乗れる安心感も欲しい・・・と相反する願望を叶える車として、冒頭にあるように、これまでもいくつかの車を紹介してきました。今回は、これまでよりも車体サイズをコンパクトに抑え、維持費も軽減できるような車両をご紹介します。
BMW 2シリーズカブリオレ(F23型)です。3シリーズや1シリーズはお聴き馴染みが多いと思いますが、その間となる2シリーズにカブリオレ(オープンカー)があります。この車両の特徴は、全長が4.44mとコンパクトにまとめ、FRレイアウトを採用しつつ、後部座席もしっかりと設置されているところです。1シリーズや、同じ2シリーズでもグランクーペやアクティブツアラーと言ったところはFFレイアウトとなる中で、コンパクトサイズを維持しにくいカブリオレでFRを維持していることは、私にとってはすごく嬉しいポイントです。しかも、ボディはコンパクトながら、BMWらしいショートオーバーハングで長いホイールベースを維持し、ハンドリングと直進安定性を高水準で備えています。ちなみに、ホイールベースが2.69mありますが、これはトヨタハリアーと全く同じ数値です。
では、なぜこれだけコンパクトに抑えながら、FRオープンを実現できたのか、特に同じBMWの3シリーズ、4シリーズのカブリオレと比較してみると、大きく2点の違いに気づきます。一つ目は、屋根を布製の幌「ソフトトップ」としたこと。これで格納スペースは大幅に圧縮でき、後部座席の確保につながります。しかもこのルーフは約20秒で開閉できます。二つ目は、直列4気筒2,000ccターボエンジンを採用「ダウンサイジングターボ」としたことです。エンジンルームの中を大きく占有するエンジンを小型化し(3・4シリーズは直列6気筒3,000ccターボエンジン)ボンネットを小さくすることができたことです。排気量は小さくなれども、他メーカーでも取り入れている「ダウンサイジングターボ」の特徴である、低回転からターボを効かせることにより滑らかなムラのない加速を実現し、大排気量エンジンに近いフィーリングを発揮させています。8速ATの性能も相まって、燃費は(ターボ車ならではのアクセルワークや走行環境によるブレは想定されますが、)JC08モードで15.8km/lと、レジャー使いには十分な性能と言えるでしょう。
この2シリーズカブリオレのグレードはシンプルに3パターンで、ベーシックな「スポーツ」とスポーティーな中にも高級感が漂う「ラグジュアリー」、専用エアロや内装のカーボン素材などがBMWらしさを彷彿させる「Mスポーツ」。いずれもボディサイズやエンジン性能は同一で、タイヤサイズに多少の差はあれど、中古車では純正オプションのアルミホイールなどを装着している車両も多く、”性能は同じ”と理解して差し支えないものと思います。それぞれのコンセプトと好みで選ぶのがいいと思います。

中古車市場は100万円台前半から200万円中盤くらいが多く、ダウンサイジングターボで維持費も優しそうです。シートの色も茶系等があったりと、おしゃれな小型オープンカーでBMWブランド、しかもいざとなれば4人乗れる、こんな選択もいいですよね。季節を問わず、オープンカーの開放感を感じながら、是非有意義なカーライフをお過ごしください。






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